【ヤマ当て】社労士試験 選択式予想問題と解説 2022年度(令和4年度)

社労士試験 選択式問題のヤマ当て、全科目基準点割れ回避・救済なしでの合格ライン必達!

国民年金法 2022年度選択式予想問題 出題確率1位

■予想問題 出題予想度★★★★★

1.年金額は、【 の 】その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。
国民年金事業の財政は、【 的に 】が保たれたものでなければならず、それが失すると見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。
政府は、【 】ごとに、国民年金事業の財政に係る収支について【 の 及び 】を作成しなければならない。 【 期間】は、作成される年以降おおむね【 】年間とする。 

2.厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、【  を 】する。また実施機関たる共済組合等は、毎年度、【  を 】する。

3.厚生労働大臣は、納付義務者が【 】ヶ月分以上の保険料を滞納している、財産を【 がある】、前年の所得(1月から6月までにおいては前々年の所得)が【 】万円以上である、保険料の納付について【 】を有すると認められないなど、保険料の【 な 】を行う上で必要があると認めるときは、【 】に【 を 】するとともに、滞納処分の全部又は一部を委任することができる。

4.【 の の積立金の 】は、積立金が国民年金の被保険者から徴収された保険料の一部であり、将来の給付の貴重な財源であることに特に留意し、【 の の 】のために、【 的な から、 かつ 的に】行うことにより、将来にわたって、国民年金事業の運営の安定に資することを目的として行うものとする。

■正答

1.年金額は、【国民の生活水準】その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。
国民年金事業の財政は、【長期的に均衡】が保たれたものでなければならず、それが失すると見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。
政府は、【少なくとも5年】ごとに、国民年金事業の財政に係る収支について【財政の現況及び見通し】を作成しなければならない。 【財政均衡期間】は、作成される年以降おおむね【100】年間とする。 

2.厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、【基礎年金拠出金を負担】する。また実施機関たる共済組合等は、毎年度、【基礎年金拠出金を納付】する。

3.厚生労働大臣は、納付義務者が【13】ヶ月分以上の保険料を滞納している、財産を【隠ぺいしているおそれがある】、前年の所得(1月から6月までにおいては前々年の所得)が【1000】万円以上である、保険料の納付について【誠実な意思】を有すると認められないなど、保険料の【効果的な徴収】を行う上で必要があると認めるときは、【財務大臣】に【情報を提供】するとともに、滞納処分の全部又は一部を委任することができる。

4.【年金特別会計国民年金勘定の積立金の運用】は、積立金が国民年金の被保険者から徴収された保険料の一部であり、将来の給付の貴重な財源であることに特に留意し、【専ら国民年金の被保険者の利益】のために、【長期的な観点から、安全かつ効率的に】行うことにより、将来にわたって、国民年金事業の運営の安定に資することを目的として行うものとする。

 

■解説・予想背景
社労士でもなければ受験生でもない、言わば「素人」に年金の話題を出したら、どんなリアクションが返ってくるか。十中八九「払っても本当に貰えるの?」「破綻するんじゃない?」「大丈夫なの?」「俺が老人になる頃にはどうせ貰えないんでしょ」みたいな返答がくるでしょう。
社労士試験の国民年金・選択式は、近年、こうした大多数の国民の懸念・疑念に対して「いやいや、大丈夫ですよ。なぜなら〜」という要素になるようなトピックが出題されているのが特徴的だ。R3では年金給付が非課税であることに絡めて、「標準」「基準」という言い回しまで問うてきており、制度の理解と言うよりは啓蒙に重きをおいているように感じられてならない。
この傾向は継続すると予想して、1問目は「本当に制度は持つの?」という疑問への回答に、2問目はその根拠を説明するにあたっての財源について絡めた出題にした。
また「じゃあ払わないとどうなるの?」へのアンサーが3問目、「さらに、ちゃんと増やしてくれてるんですよ」の啓蒙を4問目に掲載した。
4問目の「専ら国民年金の被保険者の利益のため」というような強い言い方や、「安全かつ効率的に」といった「良い感じに」を堅苦しく言い換えた表現は選択式で抜かれやすいので要注意。
同じ観点で言うと「給付水準の下限」についても、出題可能性がある。(抜かれるとしたら「男子被保険者の平均的な標準報酬額から公租公課の額を控除した額」「100分の50」のいずれか。)
また、他科目で最近流行りの就職氷河期世代関連で言うと、納付猶予も怪しい。ここも出題されるとしたら「令和12年6月」「50歳」「135万円」「生活扶助以外の扶助」「障害者・寡婦」あたりが抜きどころなので必ず抑えておきたい。

健康保険法 2022年度選択式予想問題 出題確率1位

■予想問題 出題予想度★★★★★

1.国庫は、【 、 】の範囲内において、健康保険事業の事務(【 金等、 金等及び 金並びに 金】の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を【 】する。
健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における【 】を基準として、【 】が算定し、概算払をすることができる。
国庫は上記費用のほか、協会管掌保険の事業の執行に要する費用のうち、保険給付に要する費用の額並びに【 金】の納付に要する費用の額に給付費割合を乗じて得た額の合算額(【 金】がある場合には控除した額)に【 分の 】を乗じて得た額を【 】する。 (法151〜154条)

2.「介護保険第2号被保険者」ときたら【 】健康保険組合、「退職被保険者」ときたら【 】健康保険組合

3.協会は、協会管掌保険の事業の円滑な運営が図られるよう、当該【 の 及び に関する 】を実施するとともに、【 の の 】その他厚生労働大臣の行う保険料の徴収に係る業務に対する適切な【 】を行うものとする。(法181条)

4.厚生労働大臣は、保険医療機関等に関する定めをしようとするときは、【 に 】する。保険医療機関若しくは保険薬局に係る指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る登録を取り消そうとするときは、【 に 】する。

5.【 】は、【 】及び特定保健指導を行うものとするほか、【 】等以外の事業であって、【 、 及び 並びに 及び の 】に係る被保険者等の【 】についての支援その他の被保険者等の【 の 】のために必要な事業を行うように努めなければならない。(法150条) 

■正答

1.国庫は、【毎年度、予算】の範囲内において、健康保険事業の事務(【前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに介護納付金】の納付に関する事務を含む。)の執行に要する費用を【負担】する。
健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における【被保険者数】を基準として、【厚生労働大臣】が算定し、概算払をすることができる。
国庫は上記費用のほか、協会管掌保険の事業の執行に要する費用のうち、保険給付に要する費用の額並びに【前期高齢者納付金】の納付に要する費用の額に給付費割合を乗じて得た額の合算額(【前期高齢者交付金】がある場合には控除した額)に【1000分の164】を乗じて得た額を【補助】する。 (法151〜154条)

2.「介護保険第2号被保険者」ときたら【承認】健康保険組合、「退職被保険者」ときたら【特例】健康保険組合

3.協会は、協会管掌保険の事業の円滑な運営が図られるよう、当該【事業の意義及び内容に関する広報】を実施するとともに、【保険料の納付の勧奨】その他厚生労働大臣の行う保険料の徴収に係る業務に対する適切な【協力】を行うものとする。(法181条)

4.厚生労働大臣は、保険医療機関等に関する定めをしようとするときは、【中央社会保険医療協議会に諮問】する。保険医療機関若しくは保険薬局に係る指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師に係る登録を取り消そうとするときは、【地方社会保険医療協議会に諮問】する。

5.【保険者】は、【特定健康診査】及び特定保健指導を行うものとするほか、【特定健康診査】等以外の事業であって、【健康教育、健康相談及び健康診査並びに健康管理及び疾病の予防】に係る被保険者等の【自助努力】についての支援その他の被保険者等の【健康の保持増進】のために必要な事業を行うように努めなければならない。(法150条) 

■解説・予想背景
実は一番予想が立てにくいのが健保。難しい出題はほとんどされていないが、それゆえ救済は望みにくいのでまんべんなくカバーしたい。
強いて言えば、択一で聞きにくい(際どいマルバツ問題を作りにくい)ということで、保険給付以外から出ることが多い。
数字(特に金額)・当月か翌月か・協会か組合か、といったよくある論点や、
「〇〇基準額」が給付なのか自己負担なのか、といった基本的な引っ掛けポイントにハマらないようにしたい。
1問目は、国庫の負担。ベタだが「選択式で聞きやすく、択一式で聞きにくい」というとここが抜かれやすい。
2問目は、予想問題の体をなしていないが結局はそこで判断するでしょ?ということで簡易的な設問にした。本番では修飾語句が長くなるだろうが上記を見極めて判断したい。
3問目の「協力」、4問目の「諮問」あたりは、他科目であればいかにも抜かれそうなワード。中医協・地医協は近年ニュースでも見かけることが増えたので抑えておきたい。
5問目は保健事業・福祉事業で、こちらも択一だとなかなか問題が作りにくいので選択式で狙われそう。特に「自助努力」「健康の保持増進」なんかはなかなかお目にかからない字面なのでいかにも匂う。
ちなみに「及び」と「並びに」が飛び交う空欄になってしまったので、使い分けについて簡単に触れておきたい。
まず大前提として、「及び」がANDで、「又は」はOR。
つまりラーメンの具は「メンマ、チャーシュー、及び海苔」だし、スープは「醤油、塩又は味噌」になる。なので労基法5章の題は「安全及び衛生」だが、条文表現だと「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として〜」となる。
そして、単独ではANDは「及び」だが、もう一つ大きいカテゴライズだと「並びに」に、そして単独ではORは「又は」だが、もう一つ大きいカテゴライズだとは「若しくは」になる。
つまり、ラーメンとチャーハンを食べた人の胃袋の中は「メンマ、チャーシュー、海苔及び麺、並びに卵及び米」になる。
昼食をバーミヤンかマックで悩んでいる人の食事の選択肢は「ラーメン、チャーハン又は天津飯若しくはハンバーガー又はチーズバーガー」になる。
使う頻度の高いものほど文字数のコンパクトな「及び」「又は」を使っていると考えると分かりやすい。選択式の最後の1点が、接続詞のおかげで選択肢の1つを消せでもしたら儲けもの、ということで覚えて損はない。

労働一般(労一) 2022年度選択式予想問題 出題確率1位

■予想問題 出題予想度★★★★★

1.高年齢者雇用安定法は、定年の引上げ、【 】制度の導入等による高年齢者の【 の の 】、高年齢者等の再就職の促進、定年退職者その他の高年齢退職者に対する【 の の 】等の措置を総合的に講じ、もって高年齢者等の【 の その他 の 】を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。
なお同法において「高年齢者」とは【 】歳以上の者をいい、「高年齢者等」とは求職者である中高年齢者(【 】歳以上の者)や中高年齢失業者等(【 歳以上 歳未満】の失業者等)も含まれる。
シルバー人材センターの指定は【 】が行う。

2.職業安定法は、労働施策総合的推進法と相まって、公共に奉仕する公共職業安定所その他の職業安定機関が関係行政庁又は関係団体の協力を得て職業紹介事業等を行うこと、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業等が【 の の かつ な 】に果たすべき役割に鑑みその適正な運営を確保すること等により、各人にその【 に する に 】を与え、及び【 に な を 】し、もって職業の安定を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。(法1条)

3.最低賃金法は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって、【 の の 、 の 及び の な の 】に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
地方最低賃金審議会は【 】におかれ、都道府県労働局長の【 】に応じて、最低賃金に関する重要事項を調査審議し、必要な事項を【 に 】することができる。(法1・21条) 

 

■正答

1.高年齢者雇用安定法は、定年の引上げ、【継続雇用】制度の導入等による高年齢者の【安定した雇用の確保の促進】、高年齢者等の再就職の促進、定年退職者その他の高年齢退職者に対する【就業の機会の確保】等の措置を総合的に講じ、もつて高年齢者等の【職業の安定その他福祉の増進】を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。
なお同法において「高年齢者」とは【55】歳以上の者をいい、「高年齢者等」とは求職者である中高年齢者(【45】歳以上の者)や中高年齢失業者等(【45歳以上65歳未満】の失業者等)も含まれる。
シルバー人材センターの指定は【都道府県知事】が行う。

2.職業安定法は、労働施策総合的推進法と相まって、公共に奉仕する公共職業安定所その他の職業安定機関が関係行政庁又は関係団体の協力を得て職業紹介事業等を行うこと、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業等が【労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整】に果たすべき役割に鑑みその適正な運営を確保すること等により、各人にその【有する能力に適合する職業に就く機会】を与え、及び【産業に必要な労働力を充足】し、もって職業の安定を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。(法1条)

3.最低賃金法は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もって、【労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保】に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
地方最低賃金審議会は【都道府県労働局】におかれ、都道府県労働局長の【諮問】に応じて、最低賃金に関する重要事項を調査審議し、必要な事項を【都道府県労働局長に建議】することができる。(法1・21条) 

 

■解説・予想背景
最大の鬼門、労一。
しかし過去問を振り返ると、統計関連の用語の出題がポツポツと出てからのR2(5問全部が統計名称)、などある程度の流れはあるので恐れすぎずに立ち向かいたい。
R3で言うと、助成金名称を選ばせる問題が2問含まれ、度肝を抜かれた人も多かっただろう。正答率も低かったため、今後もこのテーマの出題が続く可能性は高い。
というのも、コロナ禍での雇用調整助成金をはじめ、助成金まわりは社労士の業務として注目度を増している。また「就職氷河期世代」を含む中高年というトピックも今後、重要性を増していくと考えられるからだ。
※これまでで言うと「女性」や「外国人」がテーマとして何年か連続で出ることがあった。多くの社労士が相対する中小企業の経営者が、一昔前であれば「女なんか雇えないよ、寿退社されたら困るからね」という時代から「女性にも活躍してもらわないとね、そういう時代だよね」くらいには、「わかっちゃいるけど」くらいには進んだ。外国人就労関連も、コロナ影響でイレギュラーな時期が続く中だと出題もしにくく、「高齢化(シニア活用)」での出題が続くのが一番考えやすいだろう。

そうした理由から、1問目は高年齢者雇用安定法を掲載した。何が穴で抜かれるかは特に読めないのが労一だが、出題確率でいったら目的条文や主要条文の表現を抑えておくのが肝心だろう(こうした問題が出題されると正答率はある程度高くなるため、救済の可能性も低く基準点割れが見えてきてしまう)。
ちなみにこのR3の出題は突拍子もないものかというとそうでもなく、R1には職業能力開発促進法から技能検定による「技能士」という資格名と、さらにこの検定の受検料が減額になるのは「35歳」未満だという絶妙に気味の悪い出題があった。
この技能検定とは、造園・時計修理・とび・左官など、いわゆる「手に職」系のスキルを検定で認定するもので、35歳未満という年齢は「匠の技の伝承」についての設問ということでもあるから、広い意味では「高齢化」トピックだと言える。

2問目には職業安定法を掲載した。択一での数字引掛けの設問が多い法律だったが、役割の変化に伴い、意義そのものを問いかける目的条文の選択出題も十分に考えられると予想している。

最後の3問目は最低賃金法。H29の「働き方改革実行計画」で 「年率3%程度を目途に引き上げ、全国加重平均が1000円になることを目指す」とされ、直近は言わば政府主導での引き上げが続いている。厚労省のサイトでもわざわざ小綺麗な特設ページを設けてPRしている。

pc.saiteichingin.info

最低賃金特設サイトで大々的に載っている、「業務改善助成金」と「働き方改革推進支援センター」も必ず抑えておきたいキーワードだ。
ちなみに最低賃金法を持ってきた理由として、中央最低賃金審議会の会長である藤村博之教授が試験委員に名を連ねていることも無視できない。
藤村教授の研究テーマは、「産学連携による若年層育成」「管理職育成のあり方」「高齢者雇用」「労働組合の役割強化」だそうで、労働組合労働協約あたりも「出題確率2位」編で取り上げたい。

雇用保険法 2022年度選択式予想問題 出題確率1位

■予想問題 出題予想度★★★★★

1.政府は、被保険者等に関し、【 の 、 の 、 の その他 の 】を図るため、雇用安定事業を行うことができる。
また政府は、【 の 】を通じて、被保険者等の【 を し、及び させることを 】するため、能力開発事業を行うことができる。
政府は雇用安定事業と能力開発事業の一部を【 】に行わせるものとする。
政府は、【 】事業として、【 】訓練を行う者に対して助成を行うこと及び【 】に対して、【 】給付金を支給することができる。(法63・64条)

2.高年齢雇用継続基本給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く)に対して【 月】に支払われた賃金の額が、当該被保険者を受給資格者と、当該被保険者が六十歳に達した日を受給資格に係る離職の日とみなして算定される賃金日額に相当する額(【 額】)に30を乗じて得た額の100分の75に相当する額を下るに至った場合に支給する。ただし、当該【 月】に支払われた賃金の額が、【 額】以上であるとき等はこの限りではない。 偽りその他不正の行為により高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けた者には以後、【 】は支給しない。(法61条)

3.雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が【子を養育】するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、【労働者の生活及び雇用の安定】を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の【職業の安定に資する】ため、【失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進】を図ることを目的とする。 能力開発事業の一部は、【都道府県知事】が行うことができる。(法1・2条) 

 

■正答

1.政府は、被保険者等に関し、【失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定】を図るため、雇用安定事業を行うことができる。
また政府は、【職業生活の全期間】を通じて、被保険者等の【能力を開発し、及び向上させることを促進】するため、能力開発事業を行うことができる。
政府は雇用安定事業と能力開発事業の一部を【独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構】に行わせるものとする。
政府は、【能力開発】事業として、【認定職業】訓練を行う者に対して助成を行うこと及び【特定求職者】に対して、【職業訓練受講】給付金を支給することができる。(法63・64条)

2.高年齢雇用継続基本給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く)に対して【支給対象月】に支払われた賃金の額が、当該被保険者を受給資格者と、当該被保険者が六十歳に達した日を受給資格に係る離職の日とみなして算定される賃金日額に相当する額(【みなし賃金日額】)に30を乗じて得た額の100分の75に相当する額を下るに至った場合に支給する。ただし、当該【支給対象月】に支払われた賃金の額が、【支給限度額】以上であるとき等はこの限りではない。 偽りその他不正の行為により高年齢雇用継続基本給付金の支給を受けた者には以後、【高年齢雇用継続基本給付金】は支給しない。(法61条)

3.雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が【子を養育】するための休業をした場合に必要な給付を行うことにより、【労働者の生活及び雇用の安定】を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の【職業の安定に資する】ため、【失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進】を図ることを目的とする。 能力開発事業の一部は、【都道府県知事】が行うことができる。(法1・2条)

 

■解説・予想背景

近年、トリッキーな出題はなくオーソドックスな傾向の雇用保険法。だが油断できないのは、労災同様、単一トピックからまとめて5問出題されることも珍しくないことだ。

1問目には雇用保険2事業を掲載した。R3の労働一般・選択で助成金が出題されたが、この伏線としてR2の雇用保険法・択一でも助成金名は出題されていた。コロナによる臨時措置は出題範囲外とは言え、雇用調整助成金の申請が社労士業務の中でも激増しており、助成金は無視できない観点になっている。雇用保険と労働一般はこれまでも、近いテーマが若干リンクしながら出題が続くこともあり、出題確率1位とした。

ちなみに2事業関連の過去問としては、H29に「(2事業は)被保険者等の職業の安定を図るため、労働生産性の向上に資するものとなるよう〜」という条文から、「職業の安定」「労働生産性」が抜かれて出題されている。「労働生産性」は消去法でも解けそうな設問構成だったが、「職業の安定」はダミー選択肢に「職業生活の安定」を入れているなど、一字一句知らなきゃ解けない問題であった。この設問自体、直前のH28で目的条文から「生活及び雇用の安定」「福祉の増進」を抜いており、この流れでの出題ではあるが、ともかく各条文における「目的」も正確に押さえておきたい。

2問目には高年齢雇用継続給付を掲載した。こちらもR2の労働一般・選択に続く「シニア」関連。高年齢者雇用安定法の改正による70歳までの就業機会確保の文脈もあり、高年齢トピックは要注意だろう。

なお雇用保険の選択式問題では、
・数字(特に日数 × 引き続きor通算)
・宛先(所長・署長・局長 単独or複数)
あたりの出題が多い。
実務でも重要になってくる部分ゆえの出題であろうが、「だいたい1ヶ月くらい」ではなく、ここでは「30日」なのか「31日」なのか「28日」なのか、未満なのか以上なのかはしっかり抑えておきたい。

3問目は目的条文。ここしばらく出題がされていないのでそろそろ出題されてもおかしくなく、もし出題されると消去法では解けない設問になる可能性が高いので、一字一句暗記したい。また都道府県知事の能力開発事業も要注意。

なお出題確率2位以降としては、5問が抜ける重めのトピックとしては「特定受給資格者・特定理由離職者」(要件と支給制限期間をセットで5問を予想)・育児休業給付(「特例基準日」「休業開始日賃金日額」「支給単位期間」などを紛らわしい単語と混ぜ込んだり、介護休業給付との混同を狙った設問を予想)などが予想される。
失業期間にウーバーイーツを運ぶ人もおり、単発で就業手当(基本手当日額の10分の3)が1問出題されるのもあり得そうだ。

労災保険法 2022年度選択式予想問題 出題確率1位

■予想問題 出題予想度★★★★★

1.政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の【 の 】で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する【 の 】を取得する。この場合において、当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その【 の 】で保険給付を【  】。控除を行う期間については、災害発生後【 】年以内に【 の 】労災保険給付であって、災害発生後【 】年以内に支払うべき労災保険給付を限度して行うこととする。なお、求償を行う期間については、災害発生後【 】年以内に支給事由の生じた保険給付であって、災害発生後【 】年以内に支払うべきものを限度とする。(法12条)

2.労働者又は遺族が労災保険給付を受けるべき場合であって、同一の事由について、事業主から損害賠償を受けることができるとき、事業主は、一定の限度で、その損害賠償の【  】。 この規定により損害賠償の履行が猶予されている場合において、保険給付が行われたときは、事業主は、一定の限度で、損害賠償の【  】。 また労働者又はその遺族が、事業主から損害賠償を受けることができる場合であって、保険給付を受けるべきときに、同一の事由について、損害賠償を受けたときは、政府は、【 を経て が定める 】により、その価額の限度で、保険給付【  】。(法附則64条)

3.政府は、労働者及びその遺族について、社会復帰促進等事業として、次の事業を行うことができる。
・【 及び 】に関する施設の設置及び運営その他被災労働者の【  を 】するために必要な事業
・被災労働者の【 の 】、被災労働者の受ける【 の 】、その遺族の【 の 】、被災労働者及びその遺族が必要とする【  による 】その他事業
・【 の 】に関する活動に対する援助、【 】に関する施設の設置及び運営その他労働者の安全及び衛生の確保、保険給付の適切な実施の確保並びに賃金の支払の確保を図るために必要な事業
また政府は社会復帰促進等事業のうち一部を、【 】に行わせるものとする。(法29条)

4.家内労働者及びその【 】が労災保険への特別加入を認められるには、原則として年間【 】日以上その業務に従事し、1日の就労時間が平均【 】時間以上と見込まれることが必要である。

 

■正答

1.政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の【価額の限度】で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する【損害賠償の請求権】を取得する。この場合において、当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その【価額の限度】で保険給付を【しないことができる】。控除を行う期間については、災害発生後【7】年以内に【支給事由の生じた】労災保険給付であって、災害発生後【7】年以内に支払うべき労災保険給付を限度して行うこととする。なお、求償を行う期間については、災害発生後【5】年以内に支給事由の生じた保険給付であって、災害発生後【5】年以内に支払うべきものを限度とする。(法12条)

2.労働者又は遺族が労災保険給付を受けるべき場合であって、同一の事由について、事業主から損害賠償を受けることができるとき、事業主は、一定の限度で、その損害賠償の【履行をしないことができる】。 この規定により損害賠償の履行が猶予されている場合において、保険給付が行われたときは、事業主は、一定の限度で、損害賠償の【責めを免れる】。 また労働者又はその遺族が、事業主から損害賠償を受けることができる場合であって、保険給付を受けるべきときに、同一の事由について、損害賠償を受けたときは、政府は、【労働政策審議会の議を経て厚生労働大臣が定める基準】により、その価額の限度で、保険給付【をしないことができる】。(法附則64条)

3.政府は、労働者及びその遺族について、社会復帰促進等事業として、次の事業を行うことができる。
・【療養及びリハビリテーション】に関する施設の設置及び運営その他被災労働者の【円滑な社会復帰を促進】するために必要な事業
・被災労働者の【療養生活の援護】、被災労働者の受ける【介護の援護】、その遺族の【就学の援護】、被災労働者及びその遺族が必要とする【資金の貸付けによる援護】その他事業
・【業務災害の防止】に関する活動に対する援助、【健康診断】に関する施設の設置及び運営その他労働者の安全及び衛生の確保、保険給付の適切な実施の確保並びに賃金の支払の確保を図るために必要な事業
また政府は社会復帰促進等事業のうち一部を、【独立行政法人労働者健康安全機構】に行わせるものとする。(法29条)

4.家内労働者及びその【補助者】が労災保険への特別加入を認められるには、原則として年間【200】日以上その業務に従事し、1日の就労時間が平均【4】時間以上と見込まれることが必要である。

 

■解説・予想背景

結論から言うと、来年の労災は難化と予想する。

労災は、これまでの傾向で言うと選択式はひねりのない簡単な問題が中心であった。そもそも特殊な用語がそこまで多くなく、事例を中心に択一は作問しやすいが選択式はなかなか程良い難易度で単語を抜きにくい性質があった。
そんな中でR3は若干の不親切な設問も混じった。前半は目的条文からの出題ということで5問通しての難易度は低いが、なんとか平均点を下げたい「むしゃくしゃ」を感じているので次回の試験は炎上すると読んでいる。

更に怖いのが、労災は1つのトピックから5箇所を抜いてくる出題傾向が他科目より低く、苦手トピックが登場すると雪だるま式に失点するリスクもあるのが怖い。

上記の背景から、「複数箇所の穴を空けられる、ある程度重いトピック」で、かつ難易度を上げるという観点で上記の予想問題を掲載した。
1問目は代位取得・控除、2問目が事業主からの損害賠償との調整。両者は混同しやすいし、「労働政策審議会の議を経て厚生労働大臣が定める基準」はかなりイレギュラーで、些細な入れ替えで難易度の高い設問も作りやすい。
あとは労基を見習って、判例(もしくは裁判例)からの出題によって難易度を上げる可能性も十分あると思う。「判例を知っていないと解けない」レベルであれば合否には影響しないだろうが、「判例を知らなくてもよく考えれば解ける」ような際どい出題になると合否を決する1問になる可能性もある。
息抜き程度でも、公的機関の出している本トピックの記事は見てみるのが良いかもしれない。

https://www.jil.go.jp/hanrei/conts/07/72.html

また3問目は、社労士試験大好きの特別加入。これまでも択一式ではかなりマニアックな出題がされたこともあり、細かい要件からの出題がなされても全く驚かない。

厚労省のサイトにはイラスト付きで以下のパンフレットが掲載されているので、目を通して理解を深めたい。

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040324-8-03.pdf

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040324-6.pdf

息抜きも兼ねてパンフレットには目を通し、
「特定農作業従事者は300万か2ヘクタール、サイロの中は酸素欠乏になって危なそう」
「指定農業機械は、耕運機や農薬散布の無人航空機も入る。」
「家内労働者は、仏壇や陶磁器作りや機織り」
一人親方のいう『原状回復』には除染作業も含まれる」など広く抑えておきたい。

大幅な難化は十分に想定できるので、難問・奇問にもある程度備えておくと本番でも余裕が生まれるだろう。
それでもし「スライド制は毎月勤労統計をもとに」「算定基礎年額は、給付基礎日額×365×100分の20 を超えるならその額、上限150万円」などの基礎レベルが抜かれたらそれはそれで一安心。択一も難化が顕著なので、努力は無駄にはならないだろう。

安衛法 2022年度選択式予想問題 出題確率1位

■予想問題 出題予想度★★★★★

1.事業者は産業医を選任するにあたり、事業場においてその事業の実施を【 】する者等以外の者から選任する必要がある。産業医は原則、少なくとも毎月1回、作業場を巡視し、【 又は に がある】ときは直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

2.産業医は事業者に対し、労働者の健康管理について必要な【 】をすることができ、この場合事業者はこれを【 】しなければならない。また産業医を選任した事業者は、その産業医の【 の 】その他事項を【 に 】させなければならない。

3.厚生労働大臣は、法88条の規定による届出のあった計画のうち【 の 】を要するものを審査することができるが、その審査にあたっては【 の 】を聞かなければならない。また審査の結果、事業者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な【 又は 】をすることができる。(法89条)

4.ガス工作物を設けている者は、附近で工事を行う事業者から求めがあれば、当該工作物による労働災害の発生を防止するためにとるべき措置について【 】しなければならない。(法102条)

5.事業者は【 業務及び 業務】に従事される労働者については【 】を適切に管理するように務めなければならない。

6.事業者は、労働者が【 】するおそれのある場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。(法21条)

7.労働安全衛生法は、労働基準法と相まって、【 のための 、 及び 】の措置を講ずる等その防止に関する【 を 】することにより【 の と を 】するとともに、【 の を 】することを目的とする。(法1条)

 

■正答

1.事業者は産業医を選任するにあたり、事業場においてその事業の実施を【統括管理】する者等以外の者から選任する必要がある。産業医は原則、少なくとも毎月1回、作業場を巡視し、【作業方法又は衛生状態に有害のおそれがある】ときは直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

2.産業医は事業者に対し、労働者の健康管理について必要な【勧告】をすることができ、この場合事業者はこれを【尊重】しなければならない。また産業医を選任した事業者は、その産業医の【業務の内容】その他事項を【労働者に周知】させなければならない。

3.厚生労働大臣は、法88条の規定による届出のあった計画のうち【高度の技術的検討】を要するものを審査することができるが、その審査にあたっては【学識経験者の意見】を聞かなければならない。また審査の結果、事業者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な【勧告又は要請】をすることができる。(法89条)

4.ガス工作物を設けている者は、附近で工事を行う事業者から求めがあれば、当該工作物による労働災害の発生を防止するためにとるべき措置について【教示】しなければならない。(法102条)

5.事業者は【潜水業務及び高圧室内業務】に従事される労働者については【作業時間】を適切に管理するように務めなければならない。

6.事業者は、労働者が【墜落】するおそれのある場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。(法21条)

7.労働安全衛生法は、労働基準法と相まって、【労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進】の措置を講ずる等その防止に関する【総合的計画的な対策を推進】することにより【職場における労働者の安全と健康を確保】するとともに、【快適な職場環境の形成を促進】することを目的とする。(法1条)

 

■解説・予想背景

たった2問、されど2問があなどれないのが安衛法。最近は、比較的基礎に近い内容からD、ニッチな器具名や数字がEで出ることが定着しつつある。

Dに関しては、役割名・機関名や数字の出題が多いが、ここは通常の学習でカバーできるところかと思うので、本予想問題ではあえて外した。そこで「ヤマ」の筆頭に掲載した1・2問目は、産業医。昨今、メンタルヘルスが問題化する中で役割が増しており、出題の可能性が高いトピックと言える。

※ちなみに同じ理由でストレスチェックも要注意トピックではあるが、作問者視点で言うと意外と選択式で抜きやすい用語がないことに気付く。

また3・4問目は、どちらも取り立てて出題確率が高いとは読んでいないが、やや耳慣れない表現でダミー選択肢も作りやすく、正確に覚えておきたい問題。「教示」の他、「安全衛生責任者を選任した請負人は、元請けに【通報】」、「特定機械等以外の危険な機械は、規格外・安全装置がないと譲渡・貸与+設置NGだが、動力により駆動される機械は突起物に防護ないと譲渡・貸与+【展示】NG」など全体でも登場頻度の低い単語はしっかり覚えておきたい。

さて、ここで最新の過去問を振り返る。R3では「心身の条件に応じた適正な配置に務めなければならない」という条文から「心身の条件」という部分が抜かれた。ここの作問意図に少し思いを巡らせてみたい。安全衛生管理体制をはじめ、「義務化」されているトピックは、対象業種・人数規模・要件などマルバツを入り組んだ問題を作って択一式で問いやすい。一方で、努力義務規定だと抽象的なものが多く、択一で出そうとすると「〇〇は〇〇しなければならない。」→「誤 努力義務なので義務ではない」という出し方が中心になってしまう。

本来であれば努力義務規定も満たすことが望ましい。だが社労士試験がこんな形式での出題ばかりでは、プロフェッショナルである社労士の知識が「これは義務ではなくて努力義務だ」で止まってしまい、かえって実現が遠のいてしまいかねない。そこで努力義務規定の条文表現をきちんと問いかけ、もし経営者から「コレ、やんないきゃいけないの?」と聞かれたとき「努力義務なんでやんなくていいっすよ」ではなく「〇〇を務めなければならないと法律にも書かれてます。努力義務ではありますが、やりましょう、社長」と提案できるのがあるべき社労士像だと、連合会は考えているのではないだろうか。

そんな背景から、努力義務規定の「中身」にあたる「耳慣れない言葉」がかなり臭いと踏んでおり、5問目の「作業時間」はかなり匂う。話題としても、前述のR3の「心身の条件」の主語は中高年者等であり、団塊の世代を中心とする「匠」の高齢化。後継者不足によりシニアが現場業務に従事し続けることのリスクに関する出題は今後も続くと読んでいる。特に潜水士については海洋国家である我が国において、高度経済成長期に建設された港湾設備の経年劣化、海上風力発電の新設など社会的価値が重くなる中で、現場従事者は高齢化が深刻なようである。それゆえ海上ドローンの研究開発も進んでいるようだが、とはいえすぐにドローンに取って代わられるはずもなく、ベテラン潜水士の老体に鞭打って無理をさせるような事態は容易に想像でき、それを労働災害に繋げないために、くだんの条文がある。安衛法の出題は重箱の隅をつつくような問題が多いことも事実だが、それも「クソっ、変なとこ出しやがって」と嫌がるのではなく、ひとつひとつに背景があることを理解されたい。

6問目は「墜落」。最近は「高さ」系の数字の出題が相次いでいたが、労働災害全体で見ても「墜落・転落」は1位(ちなみに減少傾向ではある)。条文表現でストレートに「墜落」が出てくる箇所が抜かれてもおかしくない。

最後の7問目は目的条文。ヤケクソのような空欄を空けてしまったが冗談ではなく、これまでの出題頻度を考えると暗唱できるくらいでちょうど良い。細かな違いを問うダミー選択肢が出されても正答率は高いことが予想されるため、一字一句正確に暗記したい。

ということで今日は出題確率1位の条文関連を中心に出題したが、安衛法はとにかく広く裾野の部分まで目を通しておくのが肝要。本記事に比べて出題確度は下がるが、2位以下もぜひ確認してほしい。

労働基準法 2022年度選択式予想問題 出題確率1位

■予想問題 出題予想度★★★★★

1.労働基準法において「使用者は前借金その他労働することを【 とする の 】と賃金を相殺してはならず、また【 に して】貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない」とされている。

2.使用者は、労働者が【 、 、 】その他非常の場合の費用に充てるため請求する場合においては、支払期日前であっても【 の 】に対する賃金を支払わなければならない。

3.就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が【 の 分の 】を超え、総額が【一 における賃金の の 分の一】を超えてはならない。

4.使用者は、事業の附属寄宿舎について、換気、採光、照明、保温、防湿、清潔、避難、定員の収容、就寝に必要な措置その他労働者の【 、 及び の 】に必要な措置を講じなければならない。

5.労働基準法において「労働基準監督は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に【 】し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して【 】を行うことができる。また、この法律違反の罪について、【 に規定する の職務】を行う」とされている。

 

■正答

1.労働基準法において「使用者は前借金その他労働することを【条件とする前貸の債権】と賃金を相殺してはならず、また【労働契約に附随して】貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない」とされている。(法17・18条)

2.使用者は、労働者が【出産、疾病、災害】その他非常の場合の費用に充てるため請求する場合においては、支払期日前であっても【既往の労働】に対する賃金を支払わなければならない。(法25条)

3.就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が【平均賃金の一日分の半額】を超え、総額が【一賃金支払期における賃金の総額の十分の一】を超えてはならない。(法91条)

4.使用者は、事業の附属寄宿舎について、換気、採光、照明、保温、防湿、清潔、避難、定員の収容、就寝に必要な措置その他労働者の【健康、風紀及び生命の保持】に必要な措置を講じなければならない。(法96条)

5.労働基準法において「労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に【臨検】し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して【尋問】を行うことができる。また、この法律違反の罪について、【刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務】を行う」とされている。(法101・102条)

 

■解説・予想背景

3問が出題される労基法。長らく1判例から3箇所が抜かれていたが、直近は「条文から1箇所・判例から2箇所」が定着しつつある。判例は比較的新しいトピック(直近5年ほどの判例、もしくは判例自体は昭和であっても話題としては最近よく聞く話題に関連するもの)が目立つ。

※R3の固定残業代については判例自体も令和のもの。R2のトラック運転手の労働者性についても平成8年の判例だが、フリーランスが拡大する昨今ではかなりホットなトピックであると言える。

その反動か、空欄「A」にあたる出題論点はかなり渋い、やや化石化したトピックも見受けられる。出題者の思惑として、近年でよく話題になる観点はアンテナを高く張って深く理解をしておいて欲しいし、一方で最近は話題になりにくい条文もしっかりとカバーしておけよ、という姿勢が感じられる。

また労基法の選択式試験では、前年度の試験の論点に関連した設問が見られる頻度も高い。

そうした背景を考えると、R3で出題された、法16条「賠償予定の禁止」における「身元保証人」をなんとも意味深長である。本設問は消去法で解きやすかったが、17・18条あたりは特に要注意に感じられ1問目に掲載した。また「労働者の家族」関連で25条や、「制裁・賠償」関連で91条も「匂う」ので2・3問目に掲載した。

また、今どきあまり聞かない「寄宿舎」まわりやも臭いので4問目に。カトク(過重労働撲滅対策班)による大手企業の送検もたまにニュースを賑わう中、労働基準監督官という存在そのものも基礎として問われそうなので5問目に掲載した。

ちなみにその他で言うと、とりたてて出題確率が高いと読んでいる訳ではないが「〇〇期間」「〇〇時間」などのワードは作問者としては作りやすいし、正確に暗記していないと答えを導き出すのが難しいので要注意。

学習の際、「対象期間」「特定期間」「精算期間」や、「限度時間」「健康管理時間」が出てきた際には注意深く読み、ここを空欄で抜かれても他の単語と混同しないように注意されたい。「換算率」も、他のそれっぽい単語と混ぜ込みやすいので要注意。

「カトク」に興味を持った方には以下のリアリティ小説もオススメ。息抜きにどうぞ。