【ヤマ当て】社労士試験 選択式予想問題と解説 2022年度(令和4年度)

社労士試験 選択式問題のヤマ当て、全科目基準点割れ回避・救済なしでの合格ライン必達!

安衛法 2022年度選択式予想問題 出題確率1位

■予想問題 出題予想度★★★★★

1.事業者は産業医を選任するにあたり、事業場においてその事業の実施を【 】する者等以外の者から選任する必要がある。産業医は原則、少なくとも毎月1回、作業場を巡視し、【 又は に がある】ときは直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

2.産業医は事業者に対し、労働者の健康管理について必要な【 】をすることができ、この場合事業者はこれを【 】しなければならない。また産業医を選任した事業者は、その産業医の【 の 】その他事項を【 に 】させなければならない。

3.厚生労働大臣は、法88条の規定による届出のあった計画のうち【 の 】を要するものを審査することができるが、その審査にあたっては【 の 】を聞かなければならない。また審査の結果、事業者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な【 又は 】をすることができる。(法89条)

4.ガス工作物を設けている者は、附近で工事を行う事業者から求めがあれば、当該工作物による労働災害の発生を防止するためにとるべき措置について【 】しなければならない。(法102条)

5.事業者は【 業務及び 業務】に従事される労働者については【 】を適切に管理するように務めなければならない。

6.事業者は、労働者が【 】するおそれのある場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。(法21条)

7.労働安全衛生法は、労働基準法と相まって、【 のための 、 及び 】の措置を講ずる等その防止に関する【 を 】することにより【 の と を 】するとともに、【 の を 】することを目的とする。(法1条)

 

■正答

1.事業者は産業医を選任するにあたり、事業場においてその事業の実施を【統括管理】する者等以外の者から選任する必要がある。産業医は原則、少なくとも毎月1回、作業場を巡視し、【作業方法又は衛生状態に有害のおそれがある】ときは直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

2.産業医は事業者に対し、労働者の健康管理について必要な【勧告】をすることができ、この場合事業者はこれを【尊重】しなければならない。また産業医を選任した事業者は、その産業医の【業務の内容】その他事項を【労働者に周知】させなければならない。

3.厚生労働大臣は、法88条の規定による届出のあった計画のうち【高度の技術的検討】を要するものを審査することができるが、その審査にあたっては【学識経験者の意見】を聞かなければならない。また審査の結果、事業者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な【勧告又は要請】をすることができる。(法89条)

4.ガス工作物を設けている者は、附近で工事を行う事業者から求めがあれば、当該工作物による労働災害の発生を防止するためにとるべき措置について【教示】しなければならない。(法102条)

5.事業者は【潜水業務及び高圧室内業務】に従事される労働者については【作業時間】を適切に管理するように務めなければならない。

6.事業者は、労働者が【墜落】するおそれのある場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。(法21条)

7.労働安全衛生法は、労働基準法と相まって、【労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進】の措置を講ずる等その防止に関する【総合的計画的な対策を推進】することにより【職場における労働者の安全と健康を確保】するとともに、【快適な職場環境の形成を促進】することを目的とする。(法1条)

 

■解説・予想背景

たった2問、されど2問があなどれないのが安衛法。最近は、比較的基礎に近い内容からD、ニッチな器具名や数字がEで出ることが定着しつつある。

Dに関しては、役割名・機関名や数字の出題が多いが、ここは通常の学習でカバーできるところかと思うので、本予想問題ではあえて外した。そこで「ヤマ」の筆頭に掲載した1・2問目は、産業医。昨今、メンタルヘルスが問題化する中で役割が増しており、出題の可能性が高いトピックと言える。

※ちなみに同じ理由でストレスチェックも要注意トピックではあるが、作問者視点で言うと意外と選択式で抜きやすい用語がないことに気付く。

また3・4問目は、どちらも取り立てて出題確率が高いとは読んでいないが、やや耳慣れない表現でダミー選択肢も作りやすく、正確に覚えておきたい問題。「教示」の他、「安全衛生責任者を選任した請負人は、元請けに【通報】」、「特定機械等以外の危険な機械は、規格外・安全装置がないと譲渡・貸与+設置NGだが、動力により駆動される機械は突起物に防護ないと譲渡・貸与+【展示】NG」など全体でも登場頻度の低い単語はしっかり覚えておきたい。

さて、ここで最新の過去問を振り返る。R3では「心身の条件に応じた適正な配置に務めなければならない」という条文から「心身の条件」という部分が抜かれた。ここの作問意図に少し思いを巡らせてみたい。安全衛生管理体制をはじめ、「義務化」されているトピックは、対象業種・人数規模・要件などマルバツを入り組んだ問題を作って択一式で問いやすい。一方で、努力義務規定だと抽象的なものが多く、択一で出そうとすると「〇〇は〇〇しなければならない。」→「誤 努力義務なので義務ではない」という出し方が中心になってしまう。

本来であれば努力義務規定も満たすことが望ましい。だが社労士試験がこんな形式での出題ばかりでは、プロフェッショナルである社労士の知識が「これは義務ではなくて努力義務だ」で止まってしまい、かえって実現が遠のいてしまいかねない。そこで努力義務規定の条文表現をきちんと問いかけ、もし経営者から「コレ、やんないきゃいけないの?」と聞かれたとき「努力義務なんでやんなくていいっすよ」ではなく「〇〇を務めなければならないと法律にも書かれてます。努力義務ではありますが、やりましょう、社長」と提案できるのがあるべき社労士像だと、連合会は考えているのではないだろうか。

そんな背景から、努力義務規定の「中身」にあたる「耳慣れない言葉」がかなり臭いと踏んでおり、5問目の「作業時間」はかなり匂う。話題としても、前述のR3の「心身の条件」の主語は中高年者等であり、団塊の世代を中心とする「匠」の高齢化。後継者不足によりシニアが現場業務に従事し続けることのリスクに関する出題は今後も続くと読んでいる。特に潜水士については海洋国家である我が国において、高度経済成長期に建設された港湾設備の経年劣化、海上風力発電の新設など社会的価値が重くなる中で、現場従事者は高齢化が深刻なようである。それゆえ海上ドローンの研究開発も進んでいるようだが、とはいえすぐにドローンに取って代わられるはずもなく、ベテラン潜水士の老体に鞭打って無理をさせるような事態は容易に想像でき、それを労働災害に繋げないために、くだんの条文がある。安衛法の出題は重箱の隅をつつくような問題が多いことも事実だが、それも「クソっ、変なとこ出しやがって」と嫌がるのではなく、ひとつひとつに背景があることを理解されたい。

6問目は「墜落」。最近は「高さ」系の数字の出題が相次いでいたが、労働災害全体で見ても「墜落・転落」は1位(ちなみに減少傾向ではある)。条文表現でストレートに「墜落」が出てくる箇所が抜かれてもおかしくない。

最後の7問目は目的条文。ヤケクソのような空欄を空けてしまったが冗談ではなく、これまでの出題頻度を考えると暗唱できるくらいでちょうど良い。細かな違いを問うダミー選択肢が出されても正答率は高いことが予想されるため、一字一句正確に暗記したい。

ということで今日は出題確率1位の条文関連を中心に出題したが、安衛法はとにかく広く裾野の部分まで目を通しておくのが肝要。本記事に比べて出題確度は下がるが、2位以下もぜひ確認してほしい。